
株式会社アカマ印刷様
『PRINT MANAGER(P-MAN)』導入事例
見えないゴール目指し原価と利益管理、効率化を達成
P-MANで財務経理・営業・生産・物流まで全工程が連携
株式会社アカマ印刷(山口県下関市長府扇町、末廣総一郎社長)は、2021年8月にモトヤからビジネスイーブレーンの印刷業情報管理システム『Print Manager(以下P-MAN)』を導入し、財務、営業、生産、物流まで全工程の“見える化”を実現した。末廣総一郎社長は「財務・経理から営業、生産、製品発送まで全工程が連携したことで、見える化が実現し、印刷業経営で最も大切な原価と利益の管理ができるようになりました。一般印刷とインクジェットの経営管理をP-MANで達成しましたが、紙の需要はまだまだ伸ばせると思っています」とさらなる高みを目指している。

末廣総一郎社長と財務管理の末廣理恵さん
アカマ印刷は1971年、初代の末廣茂氏(現会長)が活版印刷業として創業、2005年に末廣総一郎氏が二代目代表取締役社長に就任。2021年には創業50周年を迎えて記念誌「為せば成る」を発刊した。記念誌で末廣社長は「「記録」よりも「記憶」に残る文化を作り、今より一歩だけ「前進」する企業であり続けます」と新たな企業理念を制定した。
下関市長府扇町の下関印刷団地内に本社工場、北九州と福岡、東京に営業所の拠点を持ち、従業員は46名。社内オフセット印刷1号機のハイデルベルグA2判単色機KORDを1977年に導入以降、オフセット印刷機はハイデルベルグで統一。菊全判4色機SM-102カットスター付、菊半裁4色機SM74、菊半裁4色機SX74でオフセット印刷を提供する。また、小ロット対応ではコニカミノルタのカラーPODを本社と各営業所に設置するほか、「建設業許可」を取得し、店舗内・工場内・倉庫内の装飾・サインなど「デザインから施工までワンストップ」で提供する大型インクジェット事業を展開する。
現在、同社の大きな柱に成長しているインクジェット事業は約25年前から始めた。インクジェット事業はオリジナル壁紙、ガラスマーキング、車両ラッピング、フロアマーキング、店舗ディスプレイシート、店舗内・工場内・倉庫内の装飾・サイン、屋外サインなどを手がけ、成長の原動力となっている。

アカマ印刷50周年記念誌「為せば成る」

オフセット印刷工場:右がハイデルベルグ SM-102カットスター、左がハイデルベルグ KORD
経営管理システムでP-MAN選択の決め手
経営管理システムP-MAN導入にあたり、いくつかの経営情報システムを検討した。「使い易いこと、社員が活き活きと働ける」というのが末廣社長の選択だった。経営管理の電子化に早くから取り組んできた末廣社長は2007年に印刷業経営システムを導入している。また営業業務や生産管理データをExcelで作成してきた。経理部門においてもTKC会計ソフトを導入。しかし、管理システムのバージョンアップ時の際にサーバーの入れ替えで多額の費用が発生することから、新しい経営管理システムとしてP-MANを選択した。
「コロナ過でコスト、製造原価の削減に取り組なければなりませんでした。モトヤさんから様々な情報をもらって検証しました。その結果、P-MANがもっとも使い易く発展性があることが判り、2021年8月に導入しました。Excelの生産管理データやTKC会計データと連携ができ、財務経理情報、営業の見積・受注、生産、発送、物流まで、工程間の連携がスムースになりました。以前はデコボコしていましたから、こうしたストレスが無くなりました。また様々な課題にぶつかった時は開発会社のビジネスイーブレーンさんからアドバイスをもらって、問題解決までとことん付き合ってくれました」とサポートの良さを強調する。
既存システムからP-MAN移行のメリット
末廣社長はP-MAN移行のメリットを次の通り指摘する。「TKC会計システムからP-MANの売掛金と買掛金の取引先コードを合わせることで、入金や支払いの照合が早くできるようになりました。毎月の売掛金額はワンタッチで数字が出るようになり、P-MANとTKCの売掛/買掛の取引先コードを同じにしたことで、TKCの銀行受信よりも毎月の入金は取引先コードの登録と把握ができ、入金チェックが簡便になりました」と経理業務のメリットを強調した。また、総務部門では「受注画面の備考欄の入力の幅が広がり、情報把握が記録しやすくなりました。データの集計は項目を選んで操作するのでわかりやすく、月次資料作成の際にはP-MANが仕掛かり表を出力できるので時間短縮につながっています。会議資料で必要なエクスポートもExcelと連携して素早く集計できるようになり、支払い入力、入金入力の操作が同時に出来るために作業効率が良くなりました」と実務処理面でのメリットを評価した。
| ■見積・受注・生産・経理の一連処理が統合 |
| 分断されていた業務をP-MAN上で一貫管理できるようになり、情報連携がスムーズになった |
| ■資材・用紙マスターの統一とコード化 |
| 用紙・資材の銘柄や発注先を統一し、分析や検索が容易になった |
| ■仕掛(未完了受注)の自動判定 |
| 日報実績と仕入状態をもとに自動で仕掛を判定できるようになり、確認が容易になった |
| ■会計システムとの連携強化(TKC対応) |
| P-MANから出力したデータをTKCで取り込む内容を自社で作成、転記作業が不要になった |
| ■請求・売掛処理の自動化 |
| 締処理・請求書発行・売掛確定が一元化され、処理忘れや金額不一致のリスクが減少 |
| ■マスター整備の分担と運用ルール確立 |
| 担当者・得意先・資材などを部門別に管理し、メンテナンスが体系化された |
| ■作業指示書・納品書・請求書の出力 |
| Excelである程度テンプレートを変更可能な為、指示がしやすい・見やすい帳票へ変更ができる |
| ■出力されるExcelの活用 |
| P-MANでは帳票発行とその内容をそのままExcelで加工出来る事から自社で作成し、その内容を加味した管理体制を確立 ※進捗関連や印刷予定など |
アカマ印刷におけるP-MAN導入のメリット
さらに「印刷会社は目に見えないロスがあります。ミスを減らすことで製造原価が変わってきます。原価管理のゴールはありません。価値基準となる数字を共有することが大切です。P-MANは原価管理と製造原価管理、そして工程の一元化を実現しました。財務・経理部門から、営業、生産、発送・物流までの工程連携もできました。インクジェット機においてもP-MANで原価管理、利益管理を行っています」と共通の基準を共有するというメリットを強調する。
印刷はまだまだ伸ばせるという「末廣流理論」
厳しい競争が続く中で、同社は「記録」よりも「記憶」を創るという企業指針に基づいた課題の改善活動に着手している。さらに試行錯誤しながら整えた社内ルールの土台をもとに、売上・利益向上の社内の基盤を強化していった。そうした改革を進めつつ、「作業内容から利益を出すために、どこを改善すれば良いかのか、見えない中で何を改善したのか、その実態が分かれば利益ポイントが明確になり、売値の検討や赤字案件の解消につながっています」という課題が見えてきた。
末廣社長はそれらを好機と捉え、本社、北九州、福岡、東京の営業部門の売上に対する利益管理を意識付けて工程の無駄、ロスを無くした。P-MANはこうした基準の見える化を可能にした。各工程、各作業の基準の設定により、誰が見積もっても同じ金額が提示され、積算の属人化が解消された。
P-MANに入力された見積り情報は、受注情報として取り込まれ、作業指示書に反映される。見積りと作業指示書の二重入力がなくなり、営業担当者の作業負担が軽減された。
生産現場ではP-MANに作業の着手・完了時間を入力。これにより時間単価を反映させた実質原価を割り出し、利益を算出する。これにより利益以外にも作業時間が明確になる。標準時間よりも実際の作業時間が長ければ、利益を圧迫する要因がそこに存在する。
P-MANで利益を検証できるようになったことから、生産部門では限りある時間で良い仕事をするという意識が強くなった。営業部門でも安易な安売りをしなくなったという。
末廣社長は「ペーパーレスと言われます。しかし、紙の需要は地域で安定した需要があります。地域、お得意先でNO1を目指します。P-MANという力強い経営情報管理システムを得て製造原価の把握と工程の見える化ができるようになりました。また、財務・経理部門でもTKCとP-MANの連携で財務・経理、営業、生産、発送・物流まで連携が出来ました。一般印刷とインクジェットの二本柱がアカマ印刷の未来を創っていきます」と今後の方向を語った。

インクジェット課
インクジェット事業で山口県知事から「建設業許可」を取得
デザイン・印刷・サイン製造から施工までの一貫体制を構築
店舗・展示装飾・サイン事業を強化
アカマ印刷は10月に「建設業許可(山口県知事認可(般-7 第23406号))、業種:とび・土工工事業」を取得した。これにより、これまで培ってきた企画・デザイン、印刷・サイン製造の技術に加えて店舗や展示会の装飾、大型サインの設置などにおける「施工」までを一貫して提供できる体制を構築した。
同社はこれまで、顧客の販売促進活動を支援するため、店頭POPやディスプレイ、各種広告物の企画・デザイン・印刷・サイン製造を手掛けてきた。特に、店舗内装や展示ブース、館内・工場内・倉庫内の装飾といった分野においては、デザイン・サイン製造だけでなく、現地での設置・施工を伴う案件が増える傾向にあった。しかし、一定規模(請負金額500万円以上)の建設工事を請け負う場合、建設業法に基づき許可が必要となる。従来の体制では、大規模な案件の受注機会を逃したり、施工部分を外部委託することで納期調整や品質管理が複雑になるという課題があった。

ミマキインクジェットUJV55-320

ミマキインクジェットJV34-260
アカマ印刷の建設業許可取得は、これらの課題を解決し、顧客に対して「デザインから施工までワンストップ」で提供する体制を実現し、「リードタイムの短縮」「コスト削減」「品質向上」「500万円以上の大規模案件への対応」といった様々な強みを持った。
同社は今後、建設業許可を活かし、店舗の新装・改装、商業施設のディスプレイ設置、イベント会場の設営、館内・工場内・倉庫内の装飾など、空間演出に関わる事業を強化していく。また、印刷技術と施工管理能力を融合させ、顧客の多様なニーズに応える体制を追求する。
お客様プロフィール
| 会社名: | 株式会社アカマ印刷 |
|---|---|
| 所在地: | 山口県下関市長府扇町9-10 |
| 代表者: | 末廣 総一郎 |
| 設 立: | 1971年2月 |
| URL: | https://akama-p.com |
出典:月刊プリテックステージニュース 2025年12月号














