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株式会社明和商会様
紙面昇温装置『SION』導入事例

パッケージ、原反印刷の高品質、生産性に貢献
インキの着肉性を高め、紙ムケや紙粉を除去
紙面温度を瞬時に温めコントロール

パッケージ、フィルム原反、高付加価値印刷の品質を追求する株式会社明和商会（本社・大阪府東大阪市高井田本通１丁目、本田啓二社長）は、2022年11月に紙面昇温装置「SION」を導入し、季節を問わず瞬時に紙を温めることで、品質と生産性を大幅に高めた。明和商会の佐古史士印刷部工場長は「低温下で用紙を素早く昇温するSIONはインキの着肉性を高め、紙ムケや紙粉の除去といった紙の低温から起こるトラブルを皆無にしました。季節を問わず、用紙やフィルム原反の温度を最適に保ち、印刷現場において役立つ大変ありがたい装置です」と紙面昇温装置「SION」を高く評価する。

印刷部工場長の佐古史士氏

明和商会は1984年に印刷製版の資材販売会社として創業。企画からデザイン・制作・印刷・加工・出荷まで一貫生産する。印刷物を情報メディアから「納得して迅速な行動につながる、お客様に成果をもたらす」という高付加価値メディアの役割りを追求する。
東大阪市高井田本通１丁目の本社工場では、第一、第二、第三工場、製版、印刷、クロスメディア事業部を持ち、従業員80人。KOMORIのUV印刷機の菊全判８色HUV印刷機、菊全判６色UV印刷機、A全判HUV５色印刷機、四六全判５色ＵV印刷機、菊半裁UV６色印刷機、の５台を設備。４台にはインライン品質検査装置を搭載し、近く導入するA全判８色HUV両面印刷機にもインライン検査機を搭載する。また森林認証紙FSC、特殊紙のLIMEX環境対応印刷と抗菌・抗ウイルス処理で安心・安全なパッケージ、原反印刷を提供する。

紙面昇温装置「SION」は、2022年11月にモトヤから導入し、菊全判６色UV印刷機に搭載した。印刷部の佐古史士工場長は「冬場の用紙の低温化トラブルを無くすことが導入の目的でした。用紙の低温化はインキの着肉不良や紙ムケを起こします。対策としては工場内の暖房室で用紙を長時間温めるシーズニングの手段しかありません。しかし、スペースや電気料金などがコストアップの要因になります」とシーズニングを無くしたいという目的があった。フィルム原反や抄紙された直後の用紙は湿度の調整が行われている。しかし、一般に紙の湿気ムラは解消されないため用紙の湿気を全体に平均にしなければならず、圴一にするエージングには約１週間が必要とされる。シーズニングは、印刷室（印刷機がある室内）に印刷用紙を一定の時間を置き、エージングが終わった用紙と周囲の温度や湿度に合わせる。同社においても用紙の種類や印刷室の環境によるが、シーズニングに半日から１日程度を要していた。事前に部屋を温めて紙の環境を整えるために、大量印刷の場合は１日置くこともあるという。

菊全判UV６色印刷機に設置された紙面昇温装置「SION」

佐古工場長は「SIONを導入してからはシーズニングでフィルム原反を置く場所と時間が解消されました。SIONは温風で紙面温度が瞬時に上がり、紙面のゴミも吹き飛ばします。印刷が始まると温風で着肉が良くなり、インキを盛ることもなく、インキコストの削減つながりました。シーズニングの時間短縮、短納期、紙紛の汚れが検知装置にかからないのでノンストップです。SIONはインキの着肉不良や紙ムケの問題を解決しました。特殊原反もシーズニングの時間短縮効果が表れています」と導入効果を述べる。
シーズニング、インキの着肉と品質向上に加えて、見当精度、紙粉除去の効果が見られた。「見当調整時の損紙も大幅に削減できましたし、紙紛がブランケットに絡まることも無くなりました。オールシーズン、高品質を維持できます。」と述べる。

パッケージやフィルム原反印刷は短納期でスピードが求められている。「SIONは紙面が瞬時に適正な温度になることからシーズニングの時間が大幅に短縮でき、インキの着肉、色の再現性、立ち上がりも早くなりました。静電気によるフィーダートラブルも無くなりました。印刷ではインキの転移性が良くなるのでインキを盛ることもありません。インキコストの削減に貢献しているとあらためて実感しています。良い機械に巡り合いました」と導入メリットを述べる。

佐古工場長は「お客様の想いをカタチにするパートナーとして、今後ますますクオリティとスピードを強化しお客様のニーズにお応えます。SIONは当社のクオリティ、多様なご要望に貢献しています。これからも高品質・高付加価値印刷の担い手として、前進し続けてまいります」と同社の目指す方向を述べている。

お客様プロフィール

出典：月刊プリテックステージ　2023年９月号

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