環境法令を考える:湿し水の廃棄②⇒ろ過装置とフィルター

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~シリーズ:法令の把握と遵守~

環境法令を考える:湿し水の廃棄②⇒ろ過装置とフィルター

前回は湿し水の廃棄に関する法令と排水基準を取り上げ、湿し水廃液が下水道・河川等(公共用水域)のどちらへも放流は不可で、廃液処理費用を払い産廃処理する必要があることが分かりました。
そこで、今回は湿し水を『ろ過装置』で劣化させない(廃液を出さない)運用について取り上げます。

湿し水ろ過装置の基本的な構造は、印刷機へ湿し水を送って戻す循環装置にろ過装置をホースで連結し、印刷機から戻した水に侵入してきた汚れ成分(過乳化インキ・パウダー・紙粉・ガム等)をろ過装置のフィルターで濾して、湿し水に汚れ成分が溜まらないようにします。


近年は印刷機購入時にろ過装置が付随する場合が多く、必須の設備となりましたが、ろ過装置にはたくさんの種類があり、特にフィルターの性能差で大きな違いが出ます。それは湿し水をろ過し続けて廃液を出さないものと汚れるまでの期間を延命するしかできないものです。そして、湿し水ろ過装置のフィルターに求められる性能と見極めの重要なポイントは以下の3つです。

①ろ過性能:大きさや種類の異なる超微細なゴミへの対処
②ろ過の維持:フィルターの目詰まりを起こさない持続性
③有効成分の保持:印刷に必要な成分を通過させる保持力

まず、①は様々な粒径の汚れ(インキ顔料:1μ未満/パウダー:10~30μ/紙粉50~200μ)に対応する能力で、汎用フィルター(3μ~30μ)では、フィルターの目でゴミをキャッチするので、細かな目になると数日~数週間で目詰まりが発生し、ろ過能力を失うため②の持続性がなくなります。
そして、目詰まりの回避でフィルターを通過する水量を流量計で感知して、別の道からフィルターを介さずに循環タンクへ戻すことになりますが、このしくみでは途中から全くろ過していない汚水が侵入するので、すぐに水交換が必要となります。

これらの問題を解決するため、フィルターの目ではなく吸着で汚れを取る「活性炭フィルター」があり、①超微細~大きなゴミへの対処と②持続性を兼ね備えていますが、逆に湿し水に必要なH液成分を吸着してしまうものがあり、③が機能しなくなると、せっかく添加したH液がただの水道水となって、印刷ができません。

そこで、①~③を解決するのが「電位吸着ろ過方式」です。これは、「-」の電荷を帯びた湿し水中の微粒子を「+」の電荷フィルターで電位的に引き寄せて、吸着をしながら湿し水を通過させるしくみです。この方式ではフィルターの目から湿し水は通過して、ろ過し続けても目詰まりが発生しない構造のため、①~③の長期的な維持が可能です。

モトヤでは、この電位吸着と物理吸着を組み合わせた、ニクニ『エバークリーン』を推奨します。製品名の通り⇒汚れ成分だけをろ過し続けるので、湿し水の廃液と交換が0の運用が可能です。湿し水の交換周期やろ過装置をご確認いただき、ご相談ください。


資料・カタログはこちら


⇒次号へ続く




 

 




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