第3回 大通様 エピソード5「縁でつながる人」

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第3回 大通様 大江美佐社長

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エピソード5「縁でつながる人


モトヤ→ここまで大江社長の挑戦についてお聞かせいただきましたが、めざす理想像とはどんな姿なのでしょうか。

まず私には、会社を守る義務があります。60年続いた大通を私の代で終わらせるわけにはいかない。雇用を守り事業を守らないと、社員の生活も取引先さんの事業も成り立たなくなってしまいます。それは就任当時から肝に銘じていることです。そのうえで、先にもお話したように楽しくありたいと思っています。理想を言うなら、「皆が毎日楽しく働いて、世の中の役に立ち、それが利益にもつながる」そんなところでしょうか。

モトヤ→ご自身が楽しそうです。

そう、私が率先して仕事を楽しんでいるんです。嫌なことももちろんありますけれど、総合的には楽しいです。私と関わると楽しいって思われるような人になりたいと思っているんです。人間力を磨かないと。

モトヤ→じゅうぶんな人間力だと思います。

ありがとうございます(笑)。

モトヤ→お話を聞いていて、大江社長の行動力には感服します。

そうですか。じっとしていたらずっとそのままでしょ、一生。現状を変えたければ行動しないといけないと思うんです。それだけなんです。じっとしていても事業が継続できる時代はもう終わりましたから。時代に淘汰されないように抗って行かないと、溺れちゃいます。「窮鼠猫をかむ」の気分ですね。あちこち模索して何かひとつでも掴めるものが見つかれば、ラッキーなんじゃないでしょうか。


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建設中の沖縄ヴィラ



モトヤ→そのフロンティア精神、見習いたいです。

私は恵まれてるんですよ。会長が築き上げた会社を引き継いで、優良なクライアントさんやノウハウ豊富な社員も引き継いで。ゼロからのスタートではなかったんですから。

モトヤ→いや、でも組織の再構築や新事業への進出などはなかなか真似できません。

ゼロからだったら、また全然違っていたと思います。印刷業という堅固な足掛かりがあったから、ARにしても、出版にしても、つなげることができたんです。教育・教養関連の事業や不動産経営も、会長から引き継いだリソースがあったからです。というか、会長から引き継がなかったら私、社長業なんてやっていませんよ。もっとまったり暮らしています。

モトヤ→そんな事はないでしょう。

いえいえ、立場に育てられたというか、次々と目の前に課題が湧いてくるんですよ。だからひとつずつやっつけているだけ。私が負けたら皆が倒れる、そう思ってがむしゃらに頑張っているんです。

モトヤ→将来は息子さんに託されるのでしょうか。

おそらくは。でもまだまだ具体像が見えていません。息子には息子の得意な分野で頑張ってほしいですから。私と同じことをしなくていいと思っています。

モトヤ→社長に就任されて12年目に入られましたが、会長時代からの変化はどんなふうにご覧になっていますか。

従来業務はおかげさまで変わらず継続できています。会長時代からいた社員が順番に定年を迎えて卒業していきましたから、きちんと引き継ぎができたという事なんでしょう。有難いことです。守るべきものはしっかり守りたいですから。そして新たに採用した若手社員たちが加わって、会社全体がずいぶんと若返りました。クライアントさん側もどんどん世代交代されてますから、空気感が大きく変わりましたね。コロナの影響もあるのですが、リモート会議とか当たり前になったり。


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沖縄視察旅行の食事風景



モトヤ→ニューノーマルですね。

人どうしの距離感も変わりましたよね。昔のような接待の習慣は激減しましたし、残業が当たり前という業界だったけれど、うちに限っては今ではもうそうではありません。仕事の波というのはありますが、定時を過ぎて残っているのはだいたいいつも数人、1時間もすれば、ほぼ全員が帰って行きますね。

モトヤ→以前より働きやすい職場になったということですか。

はい。職場環境をできる限り改善して、福利厚生にも力を入れる。そうすることで良い人材がどんどん集まってきました。優秀な若手社員たちが今後どんなふうに育って行くのか、すごく楽しみなんです。

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沖縄ヴィラ全景_秋頃完成予定



モトヤ→素晴らしいことですね。社長ご自身のビジョンとしてはどんな感じですか。

私はやっぱり、今までお世話になった方へのご恩返しの意味も込めて、社会へもっと貢献したいです。スター出版の絵本コンテストの時に、障がい者アーティストさんと関わりがありましたが、素晴らしい作品をもっといろんなところに露出できるように、その方たちのプロデュースみたいな役割もできたらいいなと思っています。

モトヤ→障がい者福祉ですか。

福祉というよりは、才能発掘。人手不足とか言ってるわりには、日本にはまだまだ眠ってる才能がたくさんあると思うんです。うちが窓口になって、その方たちの才能を世に送り出すみたいな。こちらとしても有能なブレーンが増えるし、ビジネスにもつながるし。どんどん幸せの和が広がっていくようなことをやりたいです。そういう社会貢献がしたいです。

モトヤ→ウィンウィンの関係ですね。

そうですね。それぞれの得意なことを分担して、ひとつの大きなうねりを作るんです。絵本コンテストの審査員の先生がね、「ご当地フォント」というプロジェクトをされてるんです。大通もそれに参画することにしました。

モトヤ→どんなプロジェクトなんですか。

それも障がい者アートの一環なんですが、障がい者の方が書いた文字や絵をフォント化、パターン化して商品にする取り組みです。作品は自治体や企業へ売り込みます。東京・渋谷から発信して、すでに採用された実績もいくつかあるので、私たちは大阪の拠点として手を挙げました。実際に動き出すのはこれからですけれど、またどんなご縁が繋がって行くのかなって、今からわくわくしています。


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東京新聞の展示



モトヤ→またスター発掘事業ということですね。

そうなりますね。やっぱり私、そういうのが好きなんですよ。なんか使命のようなものも感じていて。世の中には私の知らない事がまだまだたくさんあって、知らない人がまだまだたくさんいますから。それらに出会うだけでもすごい刺激じゃないですか。その中から自分が役に立てること、必要とされる場所を探して行くのって、面白いです。

モトヤ→好奇心旺盛です。

立ち止まったらそこで終わりと思ってますから。チャレンジ精神はいつまでも忘れたくないです。体力・気力が続く限り。もちろん、これまでに着手した新事業、スター出版や教育・教養関連、不動産経営なども大きく実ってくれるように、しっかりやって行きます。

モトヤ→今後のご活躍に目が離せませんね。本日はありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました。







⇒おわり


大通

 

 

 

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