第3回 大通様 エピソード4「新たに挑む」

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第3回 大通様 大江美佐社長

前話はこちら


エピソード4「新たに挑む


モトヤ→印刷以外に進出された事業分野についてお聞かせくださいますか。

いろいろありますが、「人を育てる事業」についてご紹介しましょうか。

モトヤ→教育関連事業ですか?

上町で少人数制の子ども向けカルチャー教室「ちるどれ」というのをされてるオーナーとご縁があって、都島に「ちるどれ第2校」を作ることになり、2021年から大通が運営していました。PRのためのチラシを作ったり、スタジオの装飾など、大通がもっているノウハウは大いに生かすことができましたが、人を育てる事業は初めてでした。

モトヤ→子ども向け? 大人向けの講座もされていますよね。

そうです。ちるどれのコンセプトは「子どもひとり一人のもって生まれた個性や才能を見つけて伸ばす」というものです。ちょうどスター出版のお話でご紹介した陰陽五行の思想と通じるものがあるので、まず親御さん達に子育てについて学んでもらいたいと、大人向けの講座を都島校独自で始めたんです。


ARで見ると妖怪が表れて動き出す

大人向け講座の風景


モトヤ→陰陽五行というと、香港の先生の?

はい、先生が日本に戻って来られて、イベント的に「才能を伸ばす子育て」というセミナーを開いたんです。それが好評だったので。遠方にお住まいの先生ですし、オンラインで定期講座を始めました。もうひとつ、お茶やハーブの効能を勉強する講座も。講師は私の旧友なんですが、彼女こそ「埋もれたスター」なんじゃないかなと思っている素敵な人です。


ARで見ると妖怪が表れて動き出す

ティ&ハーブ



モトヤ→社長の人脈で独自色が強くなってきたということですか。

そうですね。子ども向けの「ちるどれ」とは一線を画すことになりますが、秋には講師陣を再編成して大人向けに特化した学びの場にリニューアル予定です。それも「魔法使い」っぽく。

モトヤ→魔法使い!?

はい。遊び心満載でしょ!「ハーブの魔法使い」「色の魔法使い」「星の魔法使い」みたいにね、講師を魔法使いに、学びを「魔法」に見立ててしてしまおうかと思って。今その世界観づくりを楽しんでいるところです。
子ども達が素直に好きなことに取り組む姿から、私も学んだということです。こんなに無垢に、グイグイ吸収できる力ってすごいな、って思って。大人だからってきちんとまっすぐ机を並べて勉強するだけが学びではないんじゃないかなって思って。


ARで見ると妖怪が表れて動き出す

魔法の世界観で構築中の新しいセミナールーム



モトヤ→またまた、楽しんでおられますね。

生真面目な人から見たら変かもしれませんけどね(笑)

モトヤ→話は変わりますが、リゾート施設を建設されてるとか。

沖縄ですね。新事業としての貸別荘経営ですが、社員の福利厚生にも使おうと思っています。じつはそれ、ちるどれ上町校のオーナーからのお話なんです。大通の本業が印刷業なのに対して、あちらの本業は内装工事・リノベーションの会社です。

彼は3年ほど前から沖縄でのビジネスチャンスに着目して、人脈づくりをしておられました。沖縄には特有の時間の感覚やルールがあって、なかなか一筋縄で行かないそうなんですが、その中でも信頼関係ができたパートナーさん達と準備を進めてくれたんです。

彼が現地へ行くと聞いたときに私も「それじゃあついて行くわ」と即決してすぐ動いたので、話がトントン拍子に進みました。その物件の立地がね、すぐ近くにテーマパークができる計画があって高速の出口もできるという、これから注目のエリアなんですよ。また全然違うことをやっているようですけど、これから先いろいろ繋がってくるんじゃないんかなぁと思うんです。

モトヤ→いいですね。どんどん広がって繋がっていきますね。

ちょっと見ますか。楽しいですよ・・・。(と図面を取り出す)
沖縄の古民家と現代的建物それぞれの雰囲気を組み合わせた感じを考えています。インテリアにも思いっきり拘りながら作ってるんですよ。

モトヤ→いやぁ、楽しみですね。他にも何かされているんですか。

社屋の空きスペースを使って、フリースペースの貸し出しをしています。カメラマンをしている人に週3日ほどお貸ししています。スタジオとしてお使いになってて、すごく可愛い子どもさんの写真を撮られるんですよ。(と写真を見せる)

モトヤ→立派なセットですね。

季節ごとの節句などで撮影会をしておられます。年に数回、「マルシェ」の開催もされています。

モトヤ→マルシェとはどういうイベントですか。

マルシェは大通の倉庫を開放して開きます。体験イベントや販売をするんですよ。ちょっとしたお惣菜とかケーキとかクッキーとかも売ったりしてます。大通からも、木のおもちゃをテーマに「シアトリール」というブランドを立ち上げて出品しました。

モトヤ→地域が賑わいますよね。

ご近所の方が家族ぐるみですごく楽しそうに参加してくださって、そういうのが張り合いになっています。地域貢献が大事だと、会長からもずっと言われてきましたし。

モトヤ→いろいろなところで人脈を広げていらっしゃいますね。

本当に、どこでどんなご縁がつながるがわかりませんね。新しいご縁ばかりでなく古いご縁も大切にしたいです。お茶とハーブの講座をお願いする旧友にしても何十年ぶりかに再会して、今のお互いに協力しあえる関係を再構築できたというか。知識が豊富な彼女の影響で、私もずいぶんと心豊かに日々を送れるようになった気がするんです。彼女にはいずれ本を書いてもらいたいとも思っています。読んだ人の毎日がアップグレードする本を。


ARで見ると妖怪が表れて動き出す

シーズンライブラリ


モトヤ→素敵ですね。

人もそうですし、技術もそう。印刷の技術も新しいものばかりでなくて、古い技術にも再注目したり。

モトヤ→例えば?

活版印刷とか、面白いなと思うんですよ。うちの社員が明晃印刷さんを見つけてきて、いつかの年に年賀状に採用しました。素敵なのができましたよ。明晃印刷の髙崎社長のところにはいつもいろんなクリエイターさんが集まって来られますが、その中のひとりが「みまもりようかい」の作家さんなんです。うちの社員が発掘してきたんです。

モトヤ→そして、AR(絵本 de AR)が生まれた。
はい。その社員が「ようかいをARで動かしたい」「ARの絵本作れないかな」とか言い出して。

モトヤ→株式会社ウイズさんの協力ですか。

そうです。絵本1冊まるごとのARは、スマホの性能によっては対応できなかったりいくつもハードルがあったので、ウイズさんにはいろいろと頑張ってもらいました。そしてやっとのことで出来たのが「みまもりようかい」なんです。

モトヤ→スター出版の第1冊目だったのですね。

はい。印刷という生業を足掛かりに、どんな展開ができるのか、いつも模索しています。

モトヤ→お手本みたいな企業はありますか。

お手本っていうか、もうずいぶん前ですがいろいろ調べてて見つけたJAMさん。楽しい活動をされているのを見て、実際にワークショップに参加してきました。それでスプーンだったかを作りました。その時の体験から「イベント」っていうのが私のキーワードになった気がします。時間と経験を共有できるじゃないですか。こういう発想じゃないとだめだなと思いました。

モトヤ→そのあたり大江社長の考え方を聞かせて下さい。

そうですね。受注して印刷を刷るだけじゃなくて、もちろん受注するためには人間関係を築いて、いろいろな努力が必要なんですが、もっと川上というか発想の原点を共有するというか、人と人がつながるソフト面、そこがこれからはもっと大事なんじゃないかなと思うんです。これからの大通の伸びしろが、その辺りにあるんじゃないかと思ってるんです。




⇒次回に続く


大通

 

 

 

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