環境法令を考える:SDS(安全データシート②)

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~シリーズ:法令の把握と遵守~

環境法令を考える:SDS(安全データシート②)

前回は労働安全衛生法の改正による通知対象物質の追加(2026.4.1~)をきっかけに、SDS:安全データシートの概要や交付義務、共通書式等について取り上げました。そこで、今回はそのSDSの共通書式について、各項目の要点を踏まえながら整理してまとめていきたいと思います。

前回取り上げたSDSにおける記載すべき項目一覧

1.化学品及び会社情報

2.危険有害性の要約

3.組成及び成分情報

4.応急措置

5.火災時の措置

6.漏出時の措置

7.取扱及び保管上の注意

8.ばく露防止及び保護措置

9.物理的及び化学的性質

10.安定性及び保管上の注意

11.有害性情報

12.環境影響情報

13.廃棄上の注意

14.輸送上の注意

15.適用法令

16.その他の情報


1.化学品及び会社情報

この項目は製品名や用途、製造元・販売元に関する情報がまとまっており、この製品が原因となる緊急事態が発生した場合に、どこへ問い合わせるかが分かるように、緊急時の連絡先が記載しています。

2.危険有害性の要約

この項目はGHS(Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals)という化学品の危険性・有害性を国際的に統一したルールで分類・表示する制度です。分類には物理化学的危険性/健康有害性/環境有害性の3つがあり、GHSの表示には言語に頼らず視覚的に伝えることができる9種類の標準化された絵表示(ピクトグラム)が定められています。※数字の区分1~4は毒性を表しており、区分1:強い~区分4:弱いとなっています。


3.組成及び成分情報

この項目は単一物質か混合物かに分かれ、その化学物質の成分名と含有率により、成分の組み合わせの詳細が分かります。特に化学物質は同じ成分でも呼び名が多数あり、化学物質の固有番号であるCAS番号で識別するため、この項目を確認・比較することで、同等品かどうかの判断やどこが違う性質かが分かる重要な項目です。※メーカーによってはこの項目に環境法令も併記している場合があり、成分表の枠内や成分表の下付近も注意深く確認が必要です。

4.応急処置

この項目は「吸入」「皮膚に付着」「眼に入った」「飲み込んだ」それぞれの場合にどう対処するべきかを記載しています。

5.火災時の措置

この項目は「消火剤」「使ってはならない消火剤」「特有の消化方法」の記載で、特に印刷業は石油系やアルコール類の使用が多く、いずれも消防法危険物:第四類の引火性液体に該当するため、火災時にパニックを起こさないよう事前に消化方法の確認が必要です。

6.漏出時の措置

この項目は「人体に対する注意事項、保護具及び緊急措置」「環境に対する注意事項」「封じ込め及び浄化の方法及び機材」で、製品が漏れ出てしまった場合の措置についての記載です。

7.取扱い及び保管上の注意

この項目は、取扱いと保管でそれぞれの注意事項の記載です。取扱いには技術的対策/安全取扱注意事項/衛生対策等があり、保管には安全な保管条件と避けるべき保管条件があります。

8.ばく露防止及び保護措置

この項目は、作業者が化学物質を吸い込むことによる健康被害を最小限に抑えるための情報や保護措置が記載されている重要な項目です。

そして、ばく露防止は管理濃度、許容濃度、設備対策に分かれており、管理濃度は労働安全衛生法で定める作業場の評価基準で、作業環境測定の結果がこの濃度より低い場合に管理区分1:良いとなり、高い場合にはばく露低減措置が必要となります。許容濃度は日本産業衛生学会が定める「ばく露濃度の目安」で、ほとんどすべての作業者に健康上の影響が出ないとされる8h/1日・40h/週の平均ばく露値です。※ppm表記:1ppm=100万分の1

設備対策は換気方法等の記載です。保護具は、呼吸用、手、眼、皮膚及び身体の部位ごとに分かれており、それぞれについて記載があります。

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出典:厚生労働省 ケミガイドホームページ「化学物質を安全に取り扱うために」より抜粋(https://chemiguide.mhlw.go.jp/

⇒次号へ続く

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