交友印刷様「PRINT MANAGER」導入事例

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交友印刷株式会社様
『PRINT MANAGER(P-MAN)』導入事例


原価管理で利益重視の経営体質に


パッケージ導入で社内体制を改善

神戸市中央区に本社・工場を構える交友印刷株式会社(杉本 浩康社長)は、昨年7月に株式会社モトヤから株式会社ビジネスイーブレーンの印刷業務・経営支援パッケージ『PRINT MANAGER』を導入し“売上”から“付加価値”重視の経営体質に変革した。「MISは経営者にとって大切な羅針盤」と社内改革のツールに『PRINT MANAGER』を活用する杉本社長に付加価値向上と原価管理の必要性について話を伺った。

杉本浩康社長

杉本 浩康社長

社内改革のコンサルでMIS切り替え

同社の創業は1949年12月。今年12月で70周年を迎える。特定の顧客に偏らず、神戸市を中心に民間企業から学校、団体の細かな案件に対応することで事業を拡大してきた。一見順風満帆に見える同社だが、2008年のリーマンショック以降、売上が減少し、厳しい経営を強いられていた。
5代目代表取締役社長の杉本浩康氏は「印刷物そのものの需要が減ったこともありますが、売上重視のどんぶり勘定で会計していたことが危機的な状況を招きました」と当時の苦労を滲ませる。特に杉本氏が社長に就任した2016年は業績が落ち込み、社長交代で銀行の態度も一変。何とかしなければと2016年に3ヵ年計画を打ち立て、生産管理システムの切り替えを決意した。2018年7月に『PRINT MANAGER』の導入に踏み切った。

PRINT MANAGERを選んだ理由について杉本社長は「業界内を見ると、MISを活用して見える化を実践する先進企業の多くが自社開発で仕組みを作っていますが、当社の場合、自社のやり方が正しいのかどうか、その判断もできませんし、凝り固まった考え方で時間をかけて作るよりも、パッケージタイプを選んでそちらに合わせた方が効率的だと思いました」と述べる。
いくつかシステムの選択肢がある中で、自社で開発するには時間がかかり、メンテナンスの問題に危惧を覚えた杉本社長は、すでに数百の印刷会社への導入実績のあるシステムを社内改革のコンサルティングのつもりで導入した方が良いと判断し、PRINT MANAGERを選択した。

PRINT MANAGERによる業務管理は杉本社長にとって念願だった。10年ほど前、まだ一社員だった頃に、営業担当者が受注した段階で仕事が利益の出る案件なのか、赤字案件なのか分からず、総務で元帳の検索もできない既存システムに嫌気がさしていた。一度ビジネスイーブレーンを招いて、社内でデモンストレーションし、システムの入れ替えを提案した。しかし、既存システムがMS-DOSの頃から改良を重ね、現場の印刷製造で使いやすい仕組みに仕上がっていたことから、反対意見が多数で話が流れるという過去があった。それから10年が経過し、既存システムに慣れていた社員が定年退職を迎えていったこともあり、「当社の弱みは原価管理できないことだ」と社員に訴え、MISの入れ替えを断行した。

同社ではPRINT MANAGERのパッケージ機能をほとんどそのまま活用している。自社に合わせて間違った方法を取り入れるよりも、自分たちが合わせた方がいいだろうというのがその理由だった。「例えば、受注1件ごとに割り振る受注番号は、従来10ケタもありました。先行してMISを導入している他社に話を聞くとせいぜい6ケタだと言われました。営業担当者を紐付ける番号も入っていたので長くなり、そもそもその営業が退職するとその番号がルール上おかしなことになっていました。

【交友印刷の売上管理画面】

交友印刷の売上管理画面「画像をクリックすると拡大表示されます」


MISによる見える化を実践する先進企業が何年もかけて作り上げたものに、1年で近付ける手軽さがパッケージの魅力でもあります」とパッケージタイプのメリットを強調する。

原価の見える化で営業の意識向上

「右肩上がりに市場が成長している時なら、どんぶり勘定でも構いませんでしたが、売上が下がる中で利益を出していくには仕事を取捨選択し、今まで通りの見積もり計算ではなく、適正な利益を頂く必要があります。そのための指標として、1件ごとの原価が見えていなければ誰も判断できないと思いました」と原価管理の重要性を語る。
また、これまで真っ暗闇を車で走って、バックミラーで通った道を確認するような経営だったが、PRINT MANAGERを導入したことで、先々の利益が見込めるようになったと導入効果を説明する。1、2ヵ月先の売上予測が可能になったことで、右肩下がりだった同社の売上は徐々に改善。今年度は10数年ぶりに増収増益となり、3月を除くと過去5年間で一番の業績を達成した。

業績回復について、「営業の努力と現場の協力のお陰だ」と杉本社長は社員に感謝する。原価で利益を見える化したことで、社内全体が大きく変わり出した。営業部に関しては、これまで最も売上を上げてきた社員が評価されていた。今は、売上金額よりも付加価値(利益)を評価基準としている。例えば、売上1,000万円の仕事を受注して外注費で900万円使う仕事を取るよりも、10万円の利益が出る仕事を20件取ってくる営業が評価される。
原価の見える化で数字の指標ができ、営業自身も自分がどう行動するべきかが明確になってモチベーションが上がっていると指摘する。「PRINT MANAGERはダッシュボードでリアルタイムに、1ヵ月と年間の売上順位をみることができますが、営業はよくこれを見て切磋琢磨しているようです」

仕事の獲得の仕方、見積もりの出し方もPRINT MANAGERによって変わった。手間のかかる仕事はコストが大きくなるため、それなりの受注金額が必要になることを指摘しなくても、営業担当者自身が分かるようになった。納品後も売上を計上する前に原価をチェックしている。もし、実際原価が標準原価を上回っていても顧客に転嫁できない場合、反省として次につなげる好循環も生まれ始めている。
PRINT MANAGERのほとんどの閲覧権限を全社員に与え、自発的な意識改革を促すのは、杉本社長自身が「監視するためのツールにしたくなかった」からだという。「あくまでも原価管理のためのもので、がんじがらめに社員を縛りたくはありません。会社として付加価値がしっかり確保できているかを確認できていればいい。本当は皆に使ってもらいたいですが、私自身も嫌なので強制は敢えてしていません」との経営姿勢を貫く。

次の課題は制作の原価管理

PRINT MANAGERによる見える化は、“デザイン・制作の適正な作業時間と原価”という新たな課題を浮かび上がらせた。現在、時間当たりの単価設定はあるものの、案件によっては“考える時間”が必要なものもある。そうした時間も含めてどのように原価管理するかを模索し始めた。

杉本社長は「まず、CTPのワークフローも含めて制作工程の見直しを進めていきます。PRINT MANAGERも導入から一年が経過し、やっと前年実績との比較もできるようになり始め、色々計画が立てられるようになりました。Windows7終了に伴い、2年計画でパソコンの入れ替えを考えていましたが、思いのほか利益が出たので一気に入れ替えました。これもPRINT MANAGERで先々の予測が立ち、判断できるようになったことと、利益そのものがより多く残せるようになったからこそ実行できました。MISは経営者にとって大切な羅針盤だということを実感しています」と再スタートした交友印刷の明るい未来に期待を膨らませる。

 

 

お客様プロフィール

会社名: 交友印刷株式会社
所在地: 兵庫県神戸市中央区港島南町5丁目4-5
代表者: 杉本 浩康
創 立: 1949年12月1日
URL: https://www.koyu-p.com/

出典:月刊プリテックステージ 2019年11月号

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