環境法令を考える:労働安全衛生法の改正⇒新たな化学物質規制

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~シリーズ:法令の把握と遵守~

環境法令を考える:労働安全衛生法の改正⇒新たな化学物質規制

4月は役所や多くの会社で予算や法律の開始月となっており、年度の始まりであることから、新しい制度や取り組みがスタートします。そして、今年度は4月1日から『労働安全衛生法の改正』が本格的にスタートします。現場では法令の把握と対応について、しっかりと準備はできているでしょうか?


法改正の間際で問い合わせが急増しており、このテーマについてのセミナーも各所で実施されていますが、受講者からは「何が改正されて、何をしないといけないのかが分からない」というご意見も多数いただいております。
そこで、今回からこの労働安全衛生法の改正について、法令の内容と実施すべき項目を考えていきたいと思います。※労働安全衛生法についてはNo.62~64で取り上げています。

さて、今回の改正のポイントは『新たな化学物質規制』という化学物質の管理体制が大きく変わることです。それは、従来のような「国に規制された物質」⇒危険、「国の規制がかからない物質」⇒安全という化学的根拠のない基準で規制された物質を規制外の物質へ変更する⇒受動的な運用ではなく、GHSという化学物質の危険有害性に関する国際基準に従って、作業者自身が危険有害性を十分に理解した上で作業を行う⇒自律的な管理体制が求められます。
では、新たな化学物質規制について、具体的に何から取り組めば良いかというと以下の①~③です。

①「化学物質管理者」を選任  ※選任要件なし
管理者は液体・粉体状の消耗品についてSDS(安全データシート)を収集して、15.適用法令の「通知対象物質」を確認。※8.ばく露防止及び保護措置の「許容濃度」も併せて確認しておく

②「保護具着用管理責任者」を選任  ※選任要件あり⇒有機溶剤作業主任者等
責任者はGHS分類を確認。危険有害性に対応する保護具の選定と使用状況を管理。※社内に有機溶剤作業主任者等がいない場合は保護具着用管理責任者の講習(計6時間)を受講して、終了者を選任

③化学物質の「リスクアセスメント」を実施
SDSの情報からリスクアセスメント(リスクの見える化/数値化)の実施レポートを作成⇒結果を作業者へ周知し、意見を聴取。※許容濃度未満での使用が求められる物質(濃度基準値設定物質:67物質)については、ばく露量(作業者が人体に取り込む量)の推定ツール「CREATE-SIMPLE」で推定ばく露量を算出


これら①~③は「国からの情報を収集する責任者」「保護具運用の責任者」「リスク・有害性の数値化」という、新たな化学物質規制に対応するために必ず必要となる最初のスタート地点です。
つまり、ここが出来ていないと作業者がリスク・有害性を理解した上で化学物質を取り扱うことが出来なくなり、自律的な管理体制にはなりません。
モトヤでは、お客様の現場が新たな化学物質規制に対応できるよう、実際の運用面も含めヒアリングをさせていただきながら、お手伝いをしています。お気軽にご相談ください。


⇒次号へ続く




 

 




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