環境法令を考える:消防法⑤「ローラ洗い油:UV用」

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~シリーズ:法令の把握と遵守~

環境法令を考える:消防法⑤「ローラ洗い油:UV用」

引火性リスク低減をテーマに印刷現場での運用を考えてきました。そして、前回は「ローラ洗い油:油性用」を取り上げましたが、今回は「ローラ洗い油:UV用」を考えます。


前回のおさらいとして、油性用ローラ洗い油は第二石油類:引火点42℃付近(乾燥性:普通)が使用されており、引火性リスクの低減で第三石油類:引火点70℃以上(乾燥性:遅め)への切り替えで、塗布量を約20~30%減らす方法がありますが、洗浄する状況によっては液残り・液不足が起こるので、乾燥性に幅を持たせるために第二石・第三石を半々で混合する方法をご紹介しました。

では、UV用でも同じようにローラ洗い油を第二石・第三石の混合で対応できるかと言うと、そう簡単ではありません。それは、油性用はどちらも石油系:炭化水素100%で均一に混ざりますが、UV用は2~4種類の混合溶剤で、混ぜ合わせても乾燥性が均一にならず、引火点が低い溶剤から順に乾燥していき、引火点が高い溶剤が最後に残る性質があるからです。
また、製造方法が油性用⇒石油の蒸留、UV用⇒溶剤の混合のため、以下のように乾燥性の目安である引火点・沸点の範囲が違い、UV用は油性用と比較して乾燥が遅くなる傾向があります。


こうした特徴を考えると、UV用ローラ洗い油の引火性リスクの低減で第二石油類⇒第三石類へ変更する際は、混合している各溶剤の引火点・沸点を見比べて、極端に遅い溶剤は避けることがポイントになります。
そして、消防法:第三石油類は引火点70℃以上のため、引火点が70℃に近く沸点がなるべく低い方が洗浄後の液残りが少ないと判断できます。

そこで、モトヤでは「引火性リスク低減」と「液残りトラブル回避」の両方に対応する『UVインキ洗浄剤(第三石油類)』を開発しました。第二石油類と第三石油類の溶剤をバランス良く配合し、引火点・沸点範囲をなるべく低くして、乾燥のトラブルが起きにくい設計にしています。※第二石油類⇒第三石油類への切り替えは塗布量20~30%減を目安に調整できるよう設計

また、液残り対策の応用編でUV用ローラ洗い油の主成分が水溶性のため、水の噴射回数を増やして、液残りを防ぐ方法もあります。※例:現行設定が水噴射回数2回⇒3~5回に増やす
そして最近ではUV用ローラ洗い油に水を20~30%配合した『消防法:非該当+低コスト』のタイプも採用が増えていますが、UVインキの溶解を担う溶剤が水の添加で溶解性指数が変化して、UVインキへの洗浄性が大幅に下がるデメリットもあるので、採用前には必ず洗浄テストでご確認下さい。

このようにUV用ローラ洗い油の引火性リスク低減には、いくつかの選択肢があります。UVインキの洗浄に関わる自社の運用をよくご確認いただき、ご相談ください。


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※クリックでダウンロードされます


⇒次号へ続く


 

 




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