劣化とコストを考える②:洗浄剤(UV)

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~シリーズ:無駄を省く~

劣化とコストを考える②:洗浄剤(UV)

前回(必要性とコストを考える:洗浄剤(UV))は、洗浄剤(UV)のコストについて、必要性(使用量)を考えた選定方法を取り上げましたが、今回は洗浄剤(UV)の『劣化』を考えた選定方法について、ご紹介します。消耗品で『劣化』と言えば、身近な物ですぐに思い浮かぶのは、スマートフォン等のバッテリー(リチウムイオン電池)があります。バッテリーの耐久性はモノによって変わりますが、平均で充電500回~600回ほどで新品の状態から使用可能時間が半減するそうです。

したがって、毎日充電されている方の多くが2~3年ぐらいの周期で、バッテリーの消耗を感じながら、バッテリー交換や新機種への買い替えを検討されているのではないでしょうか。そして、このバッテリー消耗のほとんどは、実は充電の仕方によって、大きく変わります。以下は充電時にバッテリーにダメージを引き起こすNG行動です。

①急速充電 
②充電しながらの使用 
③100%でも充電し続ける 
④頻繁な充電 
⑤電池残量0での長時間放置です。

①~③は過剰な熱を発生させ、④~⑤はバッテリーに負荷がかかります。これらはどれもやりがちなことですが、バッテリーの『劣化』を考えるのであれば、やめた方が良いでしょう。

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こうした密かに『劣化』を早めてしまう原因というのは印刷現場にも隠れています。それはインキローラーの洗浄剤(UV)です。実は洗浄剤の成分が原因で、インキローラーへのダメージが蓄積している場合があります。それはウレタン樹脂に対して、膨潤性の高い溶剤成分です。UV用のインキローラー材質にはウレタン樹脂が使われますが、このウレタンは膨潤性溶剤に触れると、膨潤(溶剤がゴム結合点の内部に入り込む)という劣化現象が起こります。

インキローラーの寿命は、メーカーや材質により様々ですが、JAGAT(日本印刷技術協会)では期間:約1年/通し枚数:1,000万枚~1,200万枚を目安としています。しかし、UV印刷をされている先では、実際のところ、この目安よりも短い6ヶ月~10ヶ月程で交換せざるを得ない状態になってしまっている先を見かけます。

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では、こうした知らない内に『劣化』を招いている背景には、洗浄剤(UV)を①洗浄力②コスト③有機則非該当という、三大条件のみで選定されている事が要因と言えます。UVインキの主成分は光重合性樹脂のため、①~③をすべて満たす溶剤⇒ゴムの可塑剤(硬化したゴムを膨潤させて、柔らかくするための軟化剤)が使用されている事が多いです。

この可塑剤が洗浄剤の中にたとえ10%~20%程度でも含有されていると、洗浄の度にインキローラーが膨潤していき、ダメージは蓄積していくので、せっかく低コストで選んだ洗浄剤(UV)が原因で、インキローラーの交換周期を縮めてしまい、トータルコストは大幅増になっています。
※下図:ウレタン樹脂ローラーの膨潤試験データを参照

ウレタン樹脂ローラー:UV洗浄液の膨潤試験
そこで、こうした問題を解決すべく、モトヤはインキメーカー(DICグラフィックス)とUVインキの成分に対応しつつ、ウレタン樹脂ローラーへの影響を最小に抑えた(24時間含侵後:重量/体積変化率1%以下)UV洗浄液を共同開発しました。これにより、①~③+ウレタン樹脂への影響が少ない=長く安心して使用できる洗浄液のご提案が可能となりました。インキローラーの劣化を軽減する事は、コストだけでなく、「インキ量のコントロール≒品質の安定」にも繋がります。

今一度、自社の洗浄液とインキローラーの交換周期をご確認いただき、モトヤへご相談ください。  

DCローラー洗油 NEO-M

 

 




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