必要性とコストを考える①:洗浄剤(UV)

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2020年8月20日発行

~シリーズ:無駄を省く~

必要性とコストを考える①:洗浄剤(UV)

2020年7月1日からレジ袋が有料化されました。レジで袋を「いります」「いりません」と答えるのは、もう慣れたでしょうか。この有料化には海洋プラスチックの問題や地球温暖化に向けて、プラスチックごみの削減と消費者のライフスタイル変革を促す目的があり、環境省ではレジ袋チャレンジとして、レジ袋を週に1枚ももらわない人の割合を3割→6割にと掲げています。

しかし、別の視点で考えてみると、我々はこの有料化によって買い物時に袋をいる・いらないという『必要性』を考えて選ぶ機会を得たと言えるのではないでしょうか。それは、従来のように断らない限りは自動的に袋詰め⇒無料+断るのが面倒なため、とりあえず受けとる⇒邪魔になりすぐに捨てるという無駄が発生します。コンビニでお茶だけを買って、丁寧に袋詰めされた後、すぐに邪魔になり捨ててしまったことがあるかと思います。

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こうした無駄は印刷現場でも起こっています。それは印刷機の自動洗浄機で使用される洗い油です。インキローラーを洗浄するために印刷機のタンクに入れて、設定された量を自動で噴射しますが、この噴射量は使用する洗浄液の洗浄力や乾燥性によって適正量が変わるにもかかわらず、『必要性』を考えて選ぶことを実行されている先は少ないのが現状です。洗浄不良でもない限りは設定を変えることはなく、機械納入時に標準値として設定されたままで、使用されていることが多いです。

この適正噴射量を見極める目安には乾燥性≒引火点があり、消防法を基準に分類できます。第二石油⇒早い:第三石油⇒やや遅い:非該当⇒遅いとなりますが、機械の標準値には第二石油を基準に噴射量が決められています。このように乾燥性の早い洗浄液を基準に標準設定が組まれているため、洗浄液の噴射量は常に洗浄に必要な分以上に過剰な量が噴射されて、その余剰分が揮発してVOCの発生とコストの無駄が発生している可能性があります。(乾燥性が早いと噴射量が過多でも印刷上での問題は起きにくい)

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そして、UV用洗浄剤では特に洗浄力・乾燥性と噴射量の関係を考慮せずに、商品単価だけで選定されている傾向がありますが、普段の洗浄で必要以上の量を噴射してしまえば、商品単価は安くてもトータルコストはむしろ上がってしまいます。洗浄液を商品単価だけで比較するのは、こうした問題が発見されにくい落とし穴であると言えます。

そこで、モトヤはインキメーカーとUVインキの成分領域と対応する洗浄成分を分析し、必要最小量でローラーからインキを除去できる第三石油⇒やや乾燥性の遅いUV洗浄液を共同開発しました。これにより噴射量を第二石油と比較して30%ぐらい削減しても、同等の洗浄力・乾燥性を実現しました。必要な量を考えて選ぶことで無駄が省けるだけでなく、嫌な臭気が抑えられて、作業性はむしろ向上しつつ、コストの削減が行えます。

今一度、自社の洗浄液の種類と適正量を考えていただき、トータルコストをご確認ください。モトヤへご相談いただければ、シミュレーションをさせていただきます。

油性用洗油の選定方法

DCローラー洗油 NEO-M
⇒次回(劣化とコストを考える②:洗浄剤(UV))に続く

 

 




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