今月より新しいコンテンツを公開させていただきます。モトヤを通して印刷業界・印刷技術をもっと身近に感じていただけるような内容をお届けいたします。新たなコンテンツの始まり、という点と今後よりよい情報をお届けしたいという気持ちから初回は、コース料理のスタートとされる「前菜」と美味しそうな料理の写真についての内容をお届けします。
M-Life No.1
「前菜」から考える、料理を美味しく撮る方法
- ーもくじー
- 1.前菜って結局どんな食べ物?
- 2.3種の色使いが美しい前菜「カプレーゼ」を知る
- 3.カプリ島ってどんなとこ?
- 4.実際にカプレーゼを作ってみる
- 5.もっと写真を美味しくみせたい!
前菜って結局どんな食べ物?
皆様は「前菜」にどんなイメージをお持ちでしょうか。
普段あまりコース料理を食べる機会に恵まれない私は、なんとなくサラダなどの野菜のイメージを持っています。実際、前菜ってどんな料理を指すの? と思い調べてみたところ、各地域で前菜の呼ばれ方や考え方は様々でした。
フランスでは「オードブル」、イタリアでは「アンティパスト」と呼ばれ、主に野菜やハムなどの冷製肉類などが提供されているそうです。
ロシアの場合は「ザクースカ」と呼ばれ、寒い気候の土地柄もあり、アルコール類と共に冷製肉類、キャビア、ニシンの塩漬け、サラダなどが提供されるそうです。
食事について考えているとお腹がすいてきますね。
簡単なメニューが比較的多く普段と気分を変えやすい前菜料理は魅力的です。
3種の色使いが美しい前菜「カプレーゼ」を知る
カプレーゼとはイタリア発祥のサラダの一種です。
主にトマト(赤)とモッツァレラチーズ(白)、バジル(緑)の3つで作られており、イタリア国旗と同じ色をしていることから、国民に愛されている料理です。
「カプレーゼ」とはイタリア語で「カプリ島の」という意味があり、かつてカプリ島の住人たちが地元の食材を使って作った料理で島のホテルで催された晩餐会で提供されたことをきっかけに、イタリア全土に広まったそうです。
と書きながらも私自身カプリ島についてはまったく知りません。
カプリ島ってどんなとこ?
カプリ島はイタリアのナポリから40kmほど離れたところにある小さな島で美しい街並みと険しい地形から、数多くの観光名所が存在するそうです。
なかでも「青の洞窟」と呼ばれる洞窟が大人気らしく、満潮や強風で入口が塞がれてしまうこともあるそうです。洞窟に太陽の光が水中の洞窟を通って差し込むことで鮮やかな青色が生まれているそうです。神秘的で癒されますね。
こんなに美しい島で生まれた食事は美味しいに決まっています。
ということで実際に作ってみようと思います。
実際にカプレーゼを作ってみる
さっそく作ってみたいと思います。
まずは今回メインを飾る食材のトマト、モッツァレラチーズを切っていきます。
切った食材を感性の赴くまま並べ、色付けの葉を乗せ、仕上げにオリーブオイルをかけると・・・
完成!!
※本来はバジルの葉を使用しますが、手に入らなかったためローリエの葉を代わりに置いています。
完成はしたものの、フリー素材の写真と比べてもあまり美味しそうに見えません。
私が作ったカプレーゼをより美味しそうに見せるためにはなにをすれば良いでしょうか。
もっと写真を美味しくみせたい!
美味しそうに見えない原因をいくつか考えてみましょう
・全体的に暗く感じる
・トマト(赤)、葉(緑)が鮮やかに見えない
・光の当たる角度が悪いかもしれない(光源は画像右下側)
などが簡単に思いつきました。
とりあえず家で撮影した写真のため、光の当たり具合が悪かったのだと考えられます。
料理を美味しく撮るためには光のコントロールが大切です。光の当たる方向によって写真の印象は大きく変わります。料理写真に適した光の方向は、サイド光と半逆光(サイド光と逆光の間の位置)と言われています。
サイド光は立体感を際立たせる効果があり、逆光はシズル感を生み出してくれます。しかし、陰影が強くなるため、使い方が難しいです。どちらの効果もバランスよくいかせるのが「半逆光」と言えるのではないでしょうか。
さっそく半逆光を意識して撮影してみました。(光源は左上側)
これだけでも多少見れる写真にはなったのではないでしょうか。
ここから先は、画像の補正・加工に頼ってより美味しそうな写真を目指していきたいと思います。
原因として挙げていた、「暗さ」と「光の角度」は改善されました。
次に「鮮やかさ」を改善するために簡単に画像加工ソフトで赤と緑が好みの色味になるフィルターを適用します。
合わせて、より主役が目立つよう、背景をぼかします。
最初に比べると大分おいしそうな写真に仕上がったのではないでしょうか。
WEB上や紙面で使用される写真撮影の奥深さを感じさせられますね。
普段見慣れている写真も撮影の際にこだわりぬかれた一枚かもしれません。
印刷では画像加工業務などは「DTP」というジャンルに分類されますが、DTPエキスパートの資格試験では、撮影に関する知識も問題として取り上げられています。
簡単に画像加工ができる時代ですが、よりよい写真に仕上げるためには画像加工技術だけではなく、撮影に関する知識も大切ということですね。
モトヤでは画像加工を得意としたスタッフの派遣や自動画像補正ソフトの取り扱いも行っております。
また、DTPエキスパートを目指す方向けの通信制DTPスクールもございます。