原油と消耗品を考える:中東情勢による影響④

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~シリーズ:成分の把握と応用~

原油と消耗品を考える:中東情勢による影響④

前回は石油製品の供給に潜む「構造的な問題」を取り上げました。そこで、ナフサの不足には急な対応策がなく、PPバンドやストレッチフィルムのような化成品で値上げや出荷制限がかかり、その供給不安が波及するとオイルショックのような買い占めも併発して、一気に供給停止といった混乱状態になります。そういった事態を緩和するためには、普段からゆとりのある在庫量での対策(備蓄)が必要です。今回は今後の見通しともう一つの対策について考えます。

そこで、現在の石油製品の情勢ですが、4~5月:供給不安・出荷制限、6月:供給困難・出荷停止、7月:供給再開・出荷制限解除となり、8月~供給安定と価格の高止まりの状態です。一時の最悪な局面は脱したものの、緊張状態は継続中です。しかしながら、供給面は確実に改善しており、そこにもう一つの対策のヒントがあります。それが『調達先の分散』です。


それは原油の調達先が中東:95%以上だった3月までとは違い、25%以下にまで落ち込んだ不足分を政府は4~6月は備蓄の放出で補填し、その間にホルムズ経由以外の新たな調達先の開拓を急ピッチで進めました。その結果、7月以降の供給量はホルムズ海峡封鎖前とほぼ同水準にまで達しています。主な代替先は米国、次いでホルムズ海峡を通らないパイプライン経由のUAE・サウジアラビア、中南米、アフリカ等、調達先の多角化が進んでいます。

一方、この多角化により、中東(ホルムズ海峡経由)の依存度は下がりましたが、同時にスポット輸送や航海日数の増加、原油の質の違いから代替調達分のコストは増加しており、原油供給量が落ち着いても、以前のような最も安い状態には戻りにくいため、石油製品の供給はある程度安定するが、価格の高止まりも継続する可能性が高いと考えられます。

こうした原油の調達とは規模が違いますが、石油由来の消耗品に関しては、安定供給を考えると同様に『調達先の分散』が重要です。そこで、誤解されやすいのが、消耗品の購入に関して「複数社への相見積もりで、いろんな先から調達できている」というお考えの先が多いかと思います。

しかし、相見積りと調達先の分散は全くの別物です。相見積もりは同じような製品を複数社に見積もりして、最も安い金額の先から購入するという事です。逆に調達先の分散とは、金額が少し違っても普段から複数社と継続的な取引をしておき、緊急時に備えるという事で、馬車に例えると常に複数頭で協力して馬車を引くイメージです。


そして、今回の中東情勢の悪化で、上記のような相見積もりのみで選定された資材から順番に、在庫切れによる納入依頼の相談を数多くお受けしました。しかし、普段から継続的なお取引が全く無い場合、供給制限下では最低限の出荷も困難です。※少額でも継続性があれば、出荷量の調整や緊急対応が可能です。

印刷会社にとってコストダウンは重要ですが、安定供給という観点も同じように大切にしなければなりません。今後の課題として、供給が安定している内に自社の調達状況をよくご確認いただき、モトヤへご相談ください。

出典:内閣官房ホームページ 経済産業省提出資料より抜粋(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/chyutoujyousei/dai10/gijisidai.html)

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